宮沢賢治と東京宇宙
日本放送出版協会 1996年12月 900円(税込)

■目次
1 上野桜木町
兄が歌う「風の又三郎の歌」 瓦礫に零れ消えゆく夕陽
2 鴬谷
現象学序説を置きて唯識の 孔雀となりてさ迷いおりしが
3 西ヶ原
ありあまるいのちの声のあかるくば梢よさむく顫えていよう
4 渋谷・駒場
乳白の霧を纏ってあらわれしは砕石技師の人ならなくに
5 東京駅
さなり、そしてみな訣れゆく運命の 万象同帰のゆく先告げよ
6 銀座・京橋
俺でない顔が映って玻璃窓にしどろもどろの四次元をゆく
7 日本橋・万世橋
まなこ瞑ればいまし帝都の上空に飛行船ゆく涙拭いき
8 上野公園
帝都博物館三階閲覧室の窓 涙で歪むまで見上げおり
9 浅草公園 
茫漠の海を渡りて来しならず南十字星(サウザンクロス)よ涙し溢る
跋 東京宇宙
参考文献


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